2008年10月30日
博品館劇場
立川談春 「柏木」 「厩火事」
トリでは無く、しょっぱなに柏木をもってきたところからして、談春の心情が伝わってくる。演じ終わった後の苦虫噛み潰したような顔が印象的。
マクラにて、泰葉を六条御息所と例えたところで、なんか、もう気が入らないのが分かると言うか。六条御息所は頭がいい上に世間を知り過ぎた見栄っ張りだから、あーなったワケで。むしろ泰葉は女三宮ではあるまいか? 流されるまま流されて、孕んで産み落としたものが"ガキ"だったか"暴言"だったかの違いではあるまいか?
「小朝は、光源氏。金髪源氏ですよ。金髪源氏。」が今宵の輝ける言葉。
さておき、本編。
出だしはこう。
夕霧 「おーぅ!柏木ぃ!」
柏木 「その声は夕霧の兄貴だな」
香を焚き染めたお直衣姿の公達のイメージのまま、これを聞いてしまって腰が砕ける。
つまり、今回の「柏木」は平安時代の話では無く、時代は江戸。
光源氏を盲いた(位は検校)三味線の師匠。夕霧は子息ではなく、弟子。柏木は弟子の中でも一番有望株で、兄弟子の夕霧も一目置いている。と云った設定。
そして、紫の上は光の妾。佐野鎚で全盛を誇った遊女"紫"の芸の煌き(と、紫の容姿を誉めそやす世間の評判)に惚れた光が口説き落として囲った次第。
三宮が、豊澤流の家元の一粒種と言うことは、義太夫の太棹?
お。昼休みが終わった。
後で加筆だの推敲だのします。