。はにかむ



【落語】2007立川談春独演会 白談春 第2回


2007年08月07日
紀伊国屋サザンシアター

立川談春 「子誉め」「おしっくら」「文七元結」

特別ゲストはロバート・デ・ニーロ (嘘)


■子誉め

口を開いて「初めて落語を聞くみなさんだと、、、、、、、笑うな」
客は、笑いたいから笑うのでは無くて、笑い事じゃないから笑いたくなるんだろう。どうしたものか。

さておき、マクラは「総理も子供だし、横綱も子供だし。」から始まり政界の話。
「あれ(赤城)はね、立川流では二ツ目になれないですよ」ぶははははははははは、、、笑い事じゃないから笑いたくなるんだ、だって僕たち国民。今日も運ぶ。戦う。増える。そして食べられる。
「緊張している顔してたのが江田五月だけですからね」江田といい、第86代警視総監矢代隆義といい、就任して注目を浴びている最中になんであんな切なそうな顔してるんだろうなぁ。地顔か。失敬。

続いて前座話の解説。今回の子誉めは「笑わせる事を学ぶための話」だそうな。「間」。
とは言うものの、「三十三は女の大厄、産で死んだか三島のおせん」が繰り込まれ、前座話と云うには高度。談春のこんな、火力の調節をしないで時折吹き零れさせる大人気無さって大好き。気が晴れる思いがする。

今日は、妙に擬音の発音も冴えていて、払う仕草をしながら高らかに「パーン」と言ってみたり。音を楔のように打ち込む。程のいいアクセント。

サゲ「どうみても、産まれたようには見えません」

他、つれづれ
「狸の了見になれ、と云うのは柳家に残されたたった一つの教えなのでございます。」
なぜか、「全力で走って逃げる」番頭さん。
「死んだって言うと起きるんだね(孫の横で寝るじーさんに)」
「ばーさんは自転車乗って郵便局行ってるよ」


■おしっくら

怪談話のたたりでリンパが腫れた話から始まる。「ぎちぎちぎちと脳みそを直接刺される痛み」と云うのだから、気の毒だ。
その療養もかねて温泉旅行に行ったらロバート・デ・ニーロに遭遇した話がマクラ。
今更ロバート・デ・ニーロの説明は要らないでしょう。この人です。って、画像を貼り付ければ視覚的に面白いんだが、著作権だの肖像権だのも守っておかんとな、素人なりに。いい子ぶりやがって。まぁ、そう言うな。ところでデニーロさんの本名は菊池輝一さんとおっしゃるのですね。そんなボケは要らないよ。まぁ、そう言うな。

せっかくだから、遭遇状況を説明しよう。「説明しよう」の声は富山敬で読むように。
「完全に源泉かけ流しなのは露店風呂だけです」と仲居に勧められるがままに露店風呂に入っていると、外人男性が入ってきた。(その前に水着を着用した黒人の子供が登場したりするのだけど、省く。)
公衆浴場文化に慣れていないせいか、他人と同じ湯船に入るのに抵抗があるらしく露天風呂に近寄らない外人男性は、別の湯船に「チョコン」と入る。その姿を見ているうちに、外人男性がロバート・デ・ニーロだと気づいた談春。親切心で、「源泉かけ流しなのは露天風呂だけですよ、そちらは温泉じゃないですよ」と教えてやりたいが、どう話しかけていいのか分からない。考え抜いた末、こう呼びかける。

「ヘイ、ミスタ-?」

デニーロ驚く。

「ヘイ、ミスター?」

デニーロ驚く。

「ヘイ、ミスター?」

デニーロ驚く。早く用件を言え、談春。

「イッツ、、、」

デニーロ聞く態勢。デニーロの方を指差し、談春力強く

「イッツ、、ノー温泉!」

デニーロ驚く。

「ドゥユノー、オンセーン?」

デニーロ驚く。

続けて、談春、自分の入ってる露天風呂を指差し

「ザッツ、、、」

デニーロ聞く態勢。

「ザッツ、、ヒャクパーセント、オンセーン!」

デニーロ、首と肩をすくめる。まさにこんな調子で

カルロストシキか、談春。君は、シェンパーシェーン♪

まとめの言葉「デニーロってすごい、、、それが夏の思い出」
ちなみに、翌日デニーロを見かけたら、隣に戸田奈津子が張り付いていたそうです。色んな意味で小森のおばちゃまポジションを手にしましたね、ザッツ100%戸田奈津子ーーー。イッツノー、トダナツコー。

ついでに、小錦と談志の話。
小錦に「生まれ○○ない」ととんだ憎まれ口を叩いた事のある談志だが(わたくしですら、表記するのをためらうな)、その発言の3ヶ月後、グリーン車の中で携帯電話を使うヤクザを注意したら逆に絡まれそうになり、たまたま通りがかった小錦に助けを求めてしまったと云うスジ。

「おい、小錦!こいつ、電車の中で電話かけてるんだよ」
「(ヤクザに向かって)師匠、イジメチャ、ダメヨ」

ジャイアンにいじめられて原っぱから戻ってきたノビタがドラえもんに泣き付くシーンのようだ。

さておき、おしっくら。
談春のばばぁは、なんでそんなにばばぁなんだろう。
こすると硫黄の匂いがしそうなばばぁです。

ちなみに、三人目のおしっくらは「三遊亭円右」似の82歳。偶然にも円右が亡くなった歳。
「楽屋入りする三遊亭円右みたいな」
今日限りのギャグだそうです。

そして、やっぱり、朝はお茶と梅干ですね。

他、つれづれ
「俺は英語はからっきし。リーズナブルって何?って聞かれて、得意満面に、裏表着れる便利なジャンパーだろ、、、って答えた。」
「家人にデニーロに会ったと報告したら、"ああ、営業で?"と返ってきた」デニーロ形無し
「志らくより、俺の方がデニーロに会うのが早かった」
「トリに期待して」


■文七元結


返済の有無だけではなく、「賭場に足を踏み入れただけでも、この子(お久)を店に出すよ」の約束が加えられ、更に、佐野槌から長兵衛が出た後、文七を探す店の者の様子が差し込まれる。舞台と云うか、映画のような盛り上がり。映像が浮かんでかっこいい。

博打への思い入れが強いためか、佐野槌のおかみさんが諭す場面は言葉が多い。
その為か、おかみさん自身、苦労はしてても若い姿がイメージされてしまう。
談春の饒舌さは華麗で眩しいのだけど、「腹芸」が見えない。それがネタによってとても"もったいなく"、複雑な思いで聞くことになる。でも、あの舌が魅力といえば魅力だしなぁ。うーん。まぁ、あくまでも聞く側の感受性の錆付きが悪いだけなんですけどねぇ。談春は悪くない。

けれど、異様に吉原に詳しい番頭さんへ、「お前の歳で乱暴なことは無いだろうが、気をつけてもらわないと」と旦那がチクリと刺すシーンは面白かったなぁ。やや心配性な旦那さんで、その人物が興味深い。
文七も文七で、旦那と連れ立って長兵衛宅へ向かう途中の吾妻橋で「ここから飛び込もうとしたやつが居るがどう思う」と尋ねられ、ちゃっかりと「バカなヤツですね」と答える。この一言に対する解釈を考えるとなかなか楽しい。川は深いか浅いか、淀んでいるのか澄んでいるのか、、、文七も然り。
渋いところでは、自分から「羽織を貸してやろうか?」と切り出す藤助さんがいい味を出している。もう少し皺の浮いた鶴見辰吾がやったら、はまりそう。

ところで、「落雁肌」ってどういう塗り方なんですかねぇ。気になって「落雁肌」をGoogleで調べてみたら、ことごとく文七元結がヒットしちゃうのですが。結局、落雁肌の画像などは見つからなかったけれど、「左官屋ネット」がなかなか面白かったです。
このサイト内に、さまざまなメディアに紹介された左官職人が列挙されているのですが、ところどころその名前の後にかっこ付けで異名(?)が加えられている人が居ます。
例えば、「榎本新吉(親父)」
例えば、「久住章(カリスマ)」
止めは、「挾土秀平(ソムリエ)」

親父にカリスマにソムリエて。七曲署のようです。
血気盛んなソムリエが証拠と思われる品を素手で握り締め(手袋しろ)、捜査一課に駆け込んでくる「カリスマさん、これでホシを上げられますよ」「やったなソムリエ!」そこにこの道40年のベテラン親父さんが登場。「そうとも限らんぞ、ソムリエ」「あ、親父っさん」

七曲署はさておき、やっぱり、仕事に生きてる人ってかっこいいよなぁ。
子供の頃、左官屋さんのコテ捌き見ているうちに何だか浮遊感を感じたもんなぁ。音楽を感じるよね。左官屋さん。


他、つれづれ
佐野槌にて、長「藤が散って」おかみさん「その前に咲きなさい」
「(親代わりになってくれと言われた長兵衛が文七へ)言っとくよ、博打ってぇのは親が必ず勝つんだよ)」


本日の反省
談春のレポートなんだが、左官屋さんの話なんだか。
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by bithoney | 2007-08-08 11:02 | :芝居浄瑠璃芋蛸南瓜
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