。はにかむ



【落語】春風亭昇太独演会 「オレスタイル」


2007年07月31日 14:00開演
紀伊国屋サザンシアター

携帯撲滅キャンペーン 「携帯キッタマン」
立川笑志 「だくだく」
春風亭昇太 「ろくろ首」「野ざらし」「死神」

■携帯キッタマンとオープニング

長髪の昇太を見て「怪獣ショー亭おともだち」か?と思いきや、その実態はヒーローキッタマン。
敵役の電源イレタマンは「電話すると必ず家に居て、とても頼みやすい」春風亭柳好。

キッタマン「なぜ、こんなことをするんだ」
イレタマン「それは、お前が独演会に呼ばないからだー」

キッタマン終わって、生昇太登場。今回は「夏なので夏の話」だそうな。意外です。二十四孝のサゲを変えたりと、季節に縛られるのを厭う人だと思っていたので、新鮮に思える。

「すべての話に妖怪やおばけが出ます」とは明解であり、明快であり。この人の咀嚼力ってすごい。漫画的と云うか、、、もしも、昇太に雷が落ちてきても、あのギザギザとした稲光を素手で掴んで雲へ投げ返してしまうんじゃないか?っつー位、この世界を自分の中の記号に置き換えてしまう力を感じる。
いや、だからね。この世界は、もしかすると昇太の想像の世界で、我々は彼の創造物じゃないか、、、って話ですよ。どうだろう、あながち、不思議じゃなかろう?

後は選挙(速報)の話。
ひたすらタワラソウイチロウが許せない、といった話。うはははは。今更だろ。

と、云うわけでタワラソウイチロウも、昇太の想像上の動物と云うことで、よござんすね。


■だくだく

昇太の紹介を受けて「談志門下に入門した愚かな男です」

「火曜の昼間ですよ、、、みなさん美容師ですか?」 うははは、確かに。わたくしは無職でぇす。

マクラは、自営業の弟あてにかかってきた詐欺電話に「オレオレ」と弟が出た話。そして、談志の練馬の家に泥棒を泊めた話。リアル「締め込み」。

さておき、だくだく。
先生に描いてもらった品々は
・ビバリーヒルズがよく聞こえるラジオ
・へっついの脇に申し訳無さそうに存在するタイ米
などなど。
描いて貰った後、先生に向かって「また改めて御礼します」と云うところ見ると、奇抜なアイデアを出す変わり者と見えながら、実はなかなかの好青年。唐突に絵を描いてくれと頼まれた先生が、快諾して腰をあげたのも納得できる。

思えば、墨で描いて貰った絵がそのまま背景となり、ラストシーンは暗闇の中のだから、白黒の世界。頭の中で描くとき、古い俳優が出てくるのはそのためか。


■ろくろ首

「ヤンキー先生死んじゃえばいいのに」の一言には驚いた。
その後の「同じ人ばかり写して、バカな人たちは(票を)入れちゃうじゃないですか」にも驚く。なんで、こんなにシンプルな言葉で世界を写しちゃうんだろうな。うわー、この人が落語家で良かった。

そして、甥のジュンイチ君の話。
ジュンイチ君は、有名な叔父を持ったがために、学校で「笑点野郎」とあだ名がついてしまったそうな。不憫な。

本編はやっぱり、この会話でしょう
与太郎「お嫁さん欲しい~~(身悶え)お嫁さん欲しい~~(身悶え)」
おじさん「お前、なんか、、、、惨めだ!」

後は、もう、昇太キャラクターの勝利です。
さようさようが上手くはまったときの笑顔や、夜中に目が覚めて「おっかさん、水ぅぅ」と甘える様子。これは参った。

他、つれづれ
電車の中で中学生に「あれ誰?誰?笑点?笑点?」
酔った彦いちに詰め寄られ「兄さんのDNAはどうするんですか!」


■野ざらし

着替えながら、ファンとの間合いの話をする昇太。
地方までこの「生着替え」の情報が伝わっているらしく、九州の公演で「生着替えありますか?」と尋ねられた話。ありません、と答えると、えらくガッカリされたそうな。
後は、アンケートで好き勝手書いてくる人たちの話。「袴の紐をちゃんと結んでください!」とか「向かっているところが違うんじゃないですか!」とか云われてご立腹。うはははは、大人気ないな昇太。素人が好き勝手言うのは大目に見てやってくださいよ。所詮、我々は知ったかぶって悦にいってる可愛い素人なんですから。

と、着替え終わって音楽をかけ忘れた事に気づく。

さて、野ざらし。
鼻に針がひっかかり、その針をはずしてしまう男を見て「あの人、針なしでやってるよ」がサゲ。短い。

男の様子がめちゃくちゃ。ソウジ君の居ないキンドーさんとトシちゃん状態。狂気。
だけど、狂気は狂気でも、危うさが無い。どこかで"面白いことをしている僕"を静かに観察している様子もある。


■死神

お、袴じゃない。着物に羽織だ。

それはさておき、、、なんだろうなぁ、、、今日は、妙に昇太の言葉がしみる。
子供の頃の昇太の言葉「周りの子供たちがライオンだのトラだの言う中で。僕の中では牛が一番強いと思ってた。だって、牛は角もあるし、牛乳も出る。」
角もあるし、牛乳も出る。そうだよなぁ、戦うだけじゃだめなんだよなぁ、、、。「牛乳も出る」が強い理由とする昇太の感性たるや。

男が死神に呪文を教わる場面が凝ってる。
死神の顔をみながら「アチャラカモクレン、、、」と云う男。それを聞いてギョっとする死神。
「テケレッツノパー!」で飛ばされる死神だが、すぐに戻ってきて怒りだす。トムとジェリーの勢い。


途中、愛宕山で小判を投げる男。うはは。

そして、数ある蝋燭の中で細くて長いのが桂歌丸の蝋燭。

サゲ
「最近、死神のなり手が少ねぇ」と勧誘され、なんと男は死神に!
「座ってるだけでいいのか、噺家みたいだな」
そして、精進して末は死神の名人となるのでした。
うわぁ、このサゲ、好きだ。フランキー堺が枕元でニヤニヤ笑いながら座ってる場面で「終」って字が浮かびそうな。

他、つれづれ
「子供って死ぬんだな」「子供って死なないと思ってた」
本当は千両手に入るのに、死神に「500両手に入るんだよ」と土壇場まで嘘をつく男
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by bithoney | 2007-08-01 21:10 | :芝居浄瑠璃芋蛸南瓜
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