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。はにかむ



【落語】第19回 YEBISU亭


2007年03月31日
ザ・ガーデンルーム(恵比寿の写真美術館の横ですよ)

柳家初花と三遊亭王楽の謎かけ
コント
柳家喬太郎 「東京タワー・ラブストーリー」
まあくまさこの独壇場
三遊亭白鳥 「(雪国)立ちきり」

こう、目を閉じると、「まあくまさこ(のステキな暴言)」しか思い出せない。
全体的にグダグダな酷い会なんだが、その酷さが面白い。まさか、上妻宏光がトークショーでもロクに紹介されないっつー扱いをされるとは。
でも、酒呑みながら聞ける会(1ドリンクでエビスビールが貰えるのです)なので、このノリは許せる。むしろ、このグダグダ感がいい。

初花と王楽の謎かけのお題は「さくら」に「めがね」に「上妻宏光」
ここは、ゲストの上妻をうまくヨイショするものが出てくるかと思いきや、お題には使われるも他の「さくら」や「めがね」と同じ扱い。とってつけたように「かっこいい人ですね」とフォローを入れる王楽が面白かった。

白鳥(しらとり)ゆり師匠のお囃子教室は、スルー。

喬太郎の東京タワー。おお、ラッパ屋つながり。
さっき見た公演(妻の家族)には出演していないが、ラッパ屋の武藤作品。マンモスうれP。もしかして、20年後にこの東京タワー・ラブストーリーが口演されるとしたら、「マンモスうれP」ではなく「ギザウレシス」とか言わされるのでしょうか。
しかし、複雑な思いだなあ、、、東京生まれの東京育ちとしては、この話にとても反感があるのよねえ。だいたい東京ってそもそも、チャキチャキしていながらも根はおバカで朴訥で暢気な気風だと思うんだけど、どーだろ。少なくとも、この話に出てくる「冷たい東京」って地方から来た人々の競争や足の引っ張り合いが作っちゃったもんだと思うのよ。ゲルマン民族が押し寄せて追いやられたフン族みたいなものかもなあ、、、、。悲しい少数民族なんですよ、東京人は。

さておき、今回の目玉はなんと云ってもトークショー。
まあくまさこに注目です。白鳥と並ぶと最強です。
そんなまあくまさこさんですが(<まあくまさこ風)、上妻はとても懐深い大人でした。謎かけにすべて回答するとは、、、なんだか演奏聞く前にファンになっちゃったな。

たちきりの舞台は雪深い高田。
白鳥の話に出てくる人物は皆、弱い。人間が出来ている者は独りも居ない。相手の立場を考えずに、恨んだり、勝手に推測したり。変に物分りのいい嘘寒い苦労人が出てこないところが好きだ。そこがとても、悲しくて、おかしくて、独自の世界があっていい。どこか童話的でもある。人の世に擦れて機微の分かっていそうな番頭さんも、どこか浅はかで、小糸の愛情を「あれは酸っぱいブドウなんですよ」としたり顔で若旦那に諭すキツネのようにも見える。
この立ちきりも独自のもの。舞台が雪国であると言うだけではなくて、雪に閉ざされてどこか暗い気持ちのある人々が狭い範囲で必死に生きている様子がいい。
心の弱い小糸が弾く津軽三味線(演奏は上妻)の力強さが実に印象的。弱いのに強い。強いのに弱い。本質ですな。
by bithoney | 2007-04-01 12:36 | :芝居浄瑠璃芋蛸南瓜
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泣くが嫌さに笑い候。

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