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。はにかむ



【落語】柳亭市馬・三遊亭白鳥・柳家喬太郎 それぞれの「長屋の花見」


2007年03月19日
国立劇場演芸場

鼎談
柳亭市馬 「長屋の花見」
柳家喬太郎 「長屋の花見」 
三遊亭白鳥 「長屋の花見」 メゾン長屋荘の花見

つくづく無神経な企画だなあ。
誰が思いついたんだろう。そして、どんな顔してこのお三方に依頼したんだろうなあ。いや、本当に企画自体は無神経。
でも、面白いのよねえ。演者に救われている。こないだも同じ事を思ったけれど、この3人じゃなきゃ成り立たない会だと思うのよねえ。

鼎談は「長屋の花見」の薀蓄。
途中、こないだ亡くなった小せんの長屋の花見のフラがよかった、、と思い出にひたり、続いて円楽の出囃子「元禄花見踊り」を聞かせてホロリとした気分にさせてくれたりと、盛りだくさん。

で、長屋の花見は、正調・変調・狂想曲。

市馬さんの喉は一節うなったダケ。落語会なのに、お歌が聴けないとなると湧き上がるこの寂しさ。喬太郎は、昨日一昨日と市馬の俵星玄蕃を聴いたそうな。羨ましい。
しかし、市馬の陽光のような温かい雰囲気ってなんだろうなあ。(ギラギラを抜いた)三波春夫の明るさを感じる。

柳家喬太郎は前回と言い、損な座標に位置しているなあ。今回は、新作仕立てで全体のバランスを取る戦略に。
考えながら話しているらしく、話のつながりが危うかったりしたけれど、長屋の花見をSFにした快作。一言で云うと「美少女の出てこない吾妻ひでおの4ページSF漫画」(またなんか外したこと云ってる?わたくしったら)。いや、あらためて考えると、吾妻ひでおと云うよりも「とり・みき」かな?うん、そうだ、とり・みきだ。「原田知世の出てこないとり・みきの8ページSF漫画」だ(あ、何故枚数が増えているのだ)
舞台は20XX年の日本。北朝鮮に占領された上に落語禁止令も布かれ、空に月も無い暗い時代を過ごしている。その日本に向かって「妖星ゴラス」急接近との観測報告が、、、そして今、二人の落語好きな研究者が立ち上がる!
話のキーとなる「三代目三遊亭円朝(!?)」はある意味「特異点」だと思うのですが、そこは流石は喬太郎、「三遊亭円朝」と云う点では無くあくまでも「三代目三遊亭円朝の芸の力で引き出した民衆の"笑い"の波」をクライマックスにもってくるワケです。
SF設定自体の詰めの甘さはご愛嬌。ちなみに研究者が取る手段は「地球ロケット化」ではありません。

唐突ですが、柳家ろべえの「物理落語」はどーなったんだろうなあ。聴きたいなあ。

そしてトリは前回同様、三代目三遊亭円朝こと白鳥。
しょっぱなに「円朝になりたくないよ」とホロ苦い顔でつぶやく。、、だよなあ。
by bithoney | 2007-03-20 14:04 | :芝居浄瑠璃芋蛸南瓜
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