2007年01月14日
国立劇場
再演するのはまた百ン年後かもしれんので後世の研究者の為に記録をすれば、田之介の「一寸、一寸一寸」は片や映画評論家片や無差別テロのようにファッションチェックを行う一卵性双生児コンビの芸人のネタで、松也の「ちゃんちゃかちゃんちゃん、、チェクショー」は小梅と云う当世きっての美人芸者の座敷を模したものだ。(後二年もすれば現代人である我々の記憶からも消え去らんとする風俗だからな、これ位の親切はしておかんとな。)
序幕
京都~大内紫宸殿の場
大津~三井寺の場
二幕目
池鯉鮒~街道立場茶屋の場
岡崎~八ツ橋村無量寺の場
三幕目
白須賀~吉祥院本堂の場・奥座敷の場
新居~関所の場
四幕目
由比~入早山の場
吉原~富士ヶ根屋の場
大詰
大磯~三浦屋寮の場
品川~鈴ヶ森の場・御殿山の場
江戸~日本橋の場
巡った東海道は上記の五幕十三場。どうですか、このスピード感。双六の出た目に、はしゃぐ気分。実に「痛快」な「娯楽」大作。賑やかで馬鹿馬鹿しい。理屈無し。
騒がしくて客を馬鹿にしているくせに屁理屈こねるものが多いこの頃ですが、この賑やかで馬鹿馬鹿しさを見習って欲しいもんだよ。これだよこれ。この景気の良さに心踊るんだよ。
いやしかし「歌舞伎に出てくるおまぬけな動物好き」にもたまんねぇ芝居でございました。鼠に猫に猪ときました。子供4人の「猫のパラパラ」と横で拍子を取る化け猫菊五郎に鼻血ブ。
ところで、田舎芝居にも関わらずやたらと喉のいい義太夫がツボでした。「寝床」の旦那より、こういう妙に上手い人の方が芝居ではリアルでいいかも。