2006年03月26日
歌舞伎座 東銀座
近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)
四条河原の場
堀川与次郎内の場
二人椀久(ににんわんきゅう)
水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)
近頃河原
秀太郎のお俊、いいなあ。昼の部の立田もよかったなあ。
カビリアの夜だの道だの、あのあたりの「かわいそうなをんな」を思い出す。
でも、弱々しくない。
伝兵衛とお俊に飯を詰めてやる与次郎が、傍らの猿に飯粒を食わせてやるシーンが心に残る。
大事な米を2匹いる猿に等しく飯粒をやるんだけど、自分は口にしない。
椀久
菊之助が登場した瞬間、息を呑む客席。
見ているうちに魂が抜かれちゃうんじゃないかと思った。綺麗な人だなあ。
ほんとに参った。いつまでも見ていたかった。
椀久がそこまで惚れるのも無理はない。
また、松山から目が離せない様子の富十郎の顔がいいんだ。
水天宮
弱い、庶民(元は武士の階級だけど)なのに弱い。
それじゃあ、世から淘汰されるわなあ、っつーくらい弱い。
ハッピーエンドだけど、それも自分の力じゃないしなあ。うーん、弱い。弱過ぎる。
明治の頭の話なので、登場人物のいでたちも面白い。
袴でブーツ、だの。蕎麦の出前持ちが法被(松葉と染め抜いた)に股引でザンバラ頭だの。