2007年07月13日
銀座ブロッサム
不思議な事って、結構ありますよね。
私ね、友人からチケット貰ったンですよ。落語のチケット。
「お前、好きだろ、落語」ってね、友人はそのチケットをホイとくれたんですよ。
で、そのチケット見ると、何かおかしい。不自然なんですよ。
チケットには会場と開演時間が書かれていて、後、タイトルがこう書かれている。
「大銀座落語祭 究極の東西寄席 Bブロック」ってね。
普通のチケットですよ。紙に印刷されてるね。でも、何かおかしい。
その時は気づかなかったけれど、今思うと書かれているハズのものが書かれていなかったんですね。
わたし、早く会場に着きました。無職なので、暇に任せて2時間早く着いちゃったんですね。
無職なんです、わたし。繰り返して云う事じゃないですね。無職。
で、チョウシヤ、、、コロッケ屋ですよ、歌舞伎座の傍の、、、へ行ってね。時間はあるから。
そうしたら、コロッケ売り切れでね、ガッカリした。とてもガッカリしたんです。
「あー、早く来たのに損しちゃったな。でも、落語聴けるからいいか。」
なんてね、自分を慰めてね。
で、時間つぶして、開演5分前に会場に着いた。
楽しみですよ。誰が出るのかわからないけれど。
そう、、、チケットには書かれているハズの「演者」の名前が書かれていなかったんですね。
わたし、わくわくしてました。誰がでるんだろう、って。「川柳川柳だったら嬉しいな」なんてね、暢気に構えてました。
徐に会場が暗くなりました。照明落とされて。
薄暗い、、、って程度だけど目が慣れていないからこういう時、真っ暗闇に感じるんですね。
闇の中です。人間、突然の闇になすすべも無いんですね。とっても不安でした。
舞台を見ると、痩せぎすな男が立っていました。
ぼんやりだけどシルエットが分かった。
闇に目が慣れてきたのか、輪郭だけじゃなくて、顔も見えてきた。
あれ?懐かしいな。懐かしく思えました。不思議と怖さが無い。
なんでだろう、、、ってわたし、思いました。
目を凝らしてみると、去年の夏に見たことのある顔なんです。
夏、、、ああ、そろそろかな、、、って思ってた頃だったんで、すぐに分かったんです。
、、、
稲川淳二、って。
稲川でしょう?あんた、稲川淳二でしょうって。
落語じゃ、ねえじゃんか
わたし、心の中で突っ込みました。
不思議な事って、結構ありますよね。
稲川淳二の次に出てきたのが、物真似の
コロッケだったんです。
落語じゃ、ねえじゃんか
っつーワケで本日の演目↓
稲川淳二のミステリーナイト
コロッケものまねオンステージ!!
春風亭小朝 「明烏」
五明楼玉の輔 「マキシム・ド・呑兵衛」
春風亭小朝 「愛宕山」
どこから突っ込めばいいものやら。
でも、面白かったンですわ。
話だけじゃなくて、自分自身のプロデュースも込みで「ステージ」にしている人たちの迫力は凄まじいですな。
さておき、簡単なレポート。
稲川…
「優しい怪談や笑える怪談ってあるんですよ」の言葉が深い。そうなんだよなぁ、、、怪談をただ「怖い話」とされると「のりしろ」や「折り目」の無い平坦な紙を渡されたような味気無さなんだよなぁ。
しかし、若い人の中には「小泉八雲」だの「雪女」を知らない人も居るのか。それもまた「のりしろ」の無い世界だなぁ。
そして、ポルターガイストが起こる家には必ず若い娘が居る、そうな。
コロッケ…
プロだ、、、。
小朝…
過密なスケジュールをこなす無理が祟ったのか、突然の鼻血。
それはさておき、小朝の「演出」と云うか「人物描写」って楽しいな。
若旦那が太助に「どんな花が好きですか」と質問するところもいい。「たんぽぽ」と答えた太助が「町内の札付き」らしからぬ恥じらいを見せたり。
布団の中で浦里に手を握られた若旦那がポツリと「そんなに握ったら痛い」とつぶやくところも、また若旦那像が浮かんでいい。
愛宕山ではシゲと旦那がパントマイムで悪巧みするところなんか、ハ!っとさせられた。落語における「言葉」って何だろうね。ベルトコンベアが言葉だと思ってたけれども、仕種も言葉もベルトコンベアに乗せられた工程のひとつなんだなぁ。うーん。憎いな、小朝。
ほか、つれづれ
若旦那の愛読書「青少年のための廓辞典」(明烏)
「吉原とかけて朝顔と解く」「その心は」「どっちもジョウロがつきものです」(明烏)
かわらけは投げずに、いきなり小判を出す旦那(愛宕山)
玉の輔…
「美しいハーモニーのペペ桜井」
ここまで白鳥通りとは。本寸法ですね。本寸法?