2007年07月11日
内幸町ホール
柳家三三 「酢豆腐」「乳房榎」「厩火事」
■酢豆腐
「先月にまして、いつ終わるか分からない3席で、、、」とご挨拶。あはは、愉快愉快。
某先輩(談の字がついたり、春の字がついたりするあの方)に「お前は人望が無いから人が集まらない」と言われた話から、林家きくおの天性の性分について。
3人で会を開いた後の打ち上げの際、きくおが談春に向かって
「アニさんの高座を聞きながら、お弁当を食べられて幸せだった」と語ったそうな。
たしかに、これはきくおじゃないと許されない。ドラえもんの「ニクメナイン」でも飲んでいるんじゃないか、きくお。
さておき、酢豆腐。
糠床にやいのやいの言う男たちの様子がだらしなくていい。誰が糠漬けを出してくるかで喧々諤々、「こんなにドジで野暮な喰いものは無い。いい若いもんがすることじゃない。」ときたもんだ。
そういや、先日亡くなった母方の叔父がよく「こんなドジな食い物はないねぇーん♪」と鼻歌を歌いながら糠床を掻き混ぜていた。茄子だの胡瓜だの引っ張り出してビールを呑んでいたもんだ。
そういや、「かくや」って言葉は一般的じゃないんですかね?
古漬けを細かく刻んで塩出しして生姜を混ぜ込んだ物を、うちではそう云ってたんですが。
今回の酢豆腐では、この「かくや」の作り方も出てきました。
「古漬け出して、細かく刻んで水にさらし、生姜と一緒に絞って、胡麻かけて、下地をかける」
そうそう。ただ、うちは江戸情緒もへったくれも無いが、これに更に味の素をかけます。ぱっぱ。
他、つれづれ
「ビリー隊長に臍を舐められる夢を見た」
(ある意味、夢十夜の趣きがあるな。豚じゃなくてビリーだが)
「あしゅうがす、も、メタンガスもねえ」
■乳房榎
つい、こないだ談春七夜「蛍」でのリレーを聞いたばかり。
その時は前編のみ。今回は前編後編通しで
(と、云うと誤解がありそうだけれど、ここで云う後半は重信殺しまで。もちろん、円朝の筆記本をみると、この重信の敵を子を討つまでに至る長い話。もっとも、乳房榎が出てこないから誤解のしようも無く気づくか。蛇足でしたね、てへ。)
ちなみに、2007年09月末までと云う期間限定ですが、yahoo動画で
柳家三三 「乳房榎」 後編が聞けます。ラッキー。無料。
おきせをくどくシーンでの「そんなに真剣に聞かれても、、、」はお約束。
中入り挟んで後編。
「おきせを一生懸命口説いてるときにヨダレが出ちゃって。」
それにしても、現代人の悲しさよ。瀬川路考の美しさが脳に直結しない。一瞬、マレーネ・ディートリヒが頭に浮かぶ。
■厩火事
これまた気の強いお咲さん。
姉さん女房なのに、年下のワガママ女っぽいところが可愛いっちゃ可愛い。
仲人が夫婦喧嘩のタネを諭してくれているのに「気が済んだら話を始めますけど」と遮る。
うーん、、、歳相応の配慮の無い、ただの馬鹿女にも見えるがなぁ、、、。わたくしなら、この女は捨てる。
ご隠居も分かりやすくお咲さんの了見違いを教える。
「お前のところは喧嘩にもなるよ。だって、お前は人の話を聞かないで違う事考えて、一人旅しちゃうから。」
でも、可愛いっちゃ可愛い。「じゃあ、私、瀬戸物にとりかかるから」と腹の中の言葉をうっかり口に出してしまうところとか。子誉めの八が女になったようなもんだと思えばいいんだろうか。それは短絡的か。
他、つれづれ
「裏から入って、あげ板を上げとけ」の細かさ
「ぴくぴくしたって許さねーぞ!」うはははは、出たー。ピクピクしても許さねー。