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。はにかむ



【落語】志らくのピン パート3 古典落語編


2007年05月08日
内幸町ホール

立川らく次 「雛鍔」
立川志らく 「二十四孝」 「片棒」 「道具屋」 「井戸の茶碗」

■雛鍔
昇進試験後の空白の8日間。
立川左談次が何の気なしに襖を開けた際の大きな音に驚き、つい「すまなかった」と謝る談志。
落語の出来は良く分からなかったけれど、「そーゆー話」が好きそうな志らくの気持ちを読めるところが上手い。

■二十四孝
事故を起こしたジェットコースターが運転を再開する件をチクリ。再開しても、あの席に花が置いてあったり、運転のたびに関係者が黙祷を捧げていたらイヤだなあ、など話している中で「信じすぎているのも問題」と言っていたのが印象的。
最近のニュース、この「信じすぎている」がひっかかるものが多いものなあ、、、。あの「あるある」もそうだし。「信じる」ことは否定しないけれど「信じすぎる」に匂う責任転嫁や思考停止がほとほとイヤだ。
ジェットコースターから、ディスティニーランド(C)真女神転生 の話に続く。ジャングルクルーズのお兄さんはいたたまれない、だの、一番好きなのは魅惑のチキルームだの。挙句の果てに「ねずみが大嫌い」。
愛嬌振りまいても所詮ミッキーは大きいオスネズミとは言うけれど、顔の毛を剃っている努力は認めてあげようよ。むだ毛と格闘しているわたくしは、そう思う。しかも、ハート形に剃ってるんですよ。富士額に。日本人好みに。もしかしたら、襟足なんかも綺麗に剃って、おしろい付けてるんじゃないか?ミッキー。
そして、ジェットコースターからファイナルジェットコースター(と、言うホラー映画があるそうな)に話を繋げて、製作者の堕落をぼやく。DVDのおまけとしてメイキングが挿してあり、それを見ていたら、製作途中でホラーマニアを集めアンケートを取り、その批評によって作品を手直ししているシーンがあった。製作者の気骨はどうなってるんだ、、、と。(アンケート用紙に落語の点数付けさせる項目を設け、その下に感想も書かせている志らくと、どう違うんだろうなあ、、、)

さておき、本編。
「オツなキャット」が妙におかしい。なんでだろ、この「オツな」シリーズが妙に好きだ。
「店あけろ」「音羽屋!」
「王祥と言う人が」「大阪か、京都か」「餃子の王将じゃないし、先回りすると村田英雄でもない」

 他、つれづれ
・桂木洋子の死を悼む
・藤本義一は黛敏郎。昼間は真面目なのに、11PMだとエッチなことを言う(志らく少年)
・ソン・ヘギョンちゃん(ちゃん付け)にメロメロ(志らく中年)
・「世界の中心は君だ」を借りるとき、恥ずかしいから「市民ケーン」と「どん底」を重ねてツタヤのカウンターへ
・最近の談春へ「ようやく、私と同じ土俵にあがってきたね、と声をかけてやりたい」(ネットに書くなと言っていたので、あえて釣られてみるテスト)

■片棒
古典が続く会に、崩したコレを入れるのはいい趣向だと思う。お軽と勘平の道行きのようなものか(言いすぎか?)。上手い進行。
三兄弟は上から、映画好きの明(あきら)、歌謡好きの宏(ひろし)、落語好きの克由(かつよし)

総額23億使う明は「鳥」だの「雨にうたえば」だの「サウンド・オブ・ミュージック」だの「風と共に去りぬ」だの、いいとこ取りを並べる。「生きる」「卒業」「駅馬車」「ライムライト」と続く続く。サウンドオブミュージックは歌い切っちゃうサービスの良さ。

青春歌謡好きの宏は、薗田憲一とデキシー・キングスから始まってオカッパルの「憧れのハワイ航路」だの植木等の「しょぼくれ人生」、林伊佐緒と新橋みどりの「もしも月給が上がったら」、守屋浩の「夜空の笛(志らくは"夜の笛"と言っていたけれど、間違い?それとも別にそういう曲があるの?)」、、、続く続く。春日八郎だの藤山一郎も忘れずに。「飛行第六十四戦隊歌(加藤隼戦闘隊)」を歌う志らくはとても辛そうだった(川柳や市馬の伸びやかな声を聞いてると、余計辛そうに見える)
人形が電線に首をひっかけるところで「そこだけ古典か!」

克由の落語ちゃんちゃかちゃん葬儀は説明不要でしょう。うん。金魚金魚いい金魚なかの金魚は出目金魚。

サゲ
「俺が片棒を担ぐ」から3ヶ月後、本当にお亡くなりになったケチベエさん。
片棒を担ぐ克由のアップ。カメラ引いて菜漬けの樽(駱駝が入ってたやつ)。そしてケチベエが出てくるのを固唾を呑んで見守る参列者をロング。砂埃。
時間は無常に過ぎてゆき、いつの間にか雨がそぼ降る。歩み寄り克由の肩を叩く次男宏。兄弟二人で樽を担ぐ姿を後ろから明がカメラで追う。
「人情噺片棒」終

 他、つれづれ
・エキストラには今半のすき焼き弁当
・じゅらくよーん
・ライムライトに合わせて荼毘(いいな、これ。わたくしの葬儀はこれにしてもらおう)

■道具屋
志らく「与太郎は哲学者」
与太郎でふと思い出すのがサンリオの「みんなのたあぼう」。あれは変に可愛く描かれていて、その隔離っぷりがとても残酷だったものなあ。そう思うと落語の与太郎は人の輪の中で厳しくも優しい人たちに揉まれて人生に張りがありそうだ。

道具を広げる場所に水溜りがあるのが仕込みで、サゲは「また、小便された。やっぱりここは便所だった」

 他、つれづれ
・気の狂った畑正憲(なんで、そんな事まで書いているんだわたくしったら)
・掛け軸を広げておじさんのデコにあてる
・客に吹き矢
・「小便させないって、お前は意地悪な看護婦か!」
・「短刀を見せぃ」「たんとうむせん?オスとメスの豹が、ヒョウ!」「サトウ無線だ」

■井戸の茶碗
冒頭。千代田宅。千代田卜斎と糸の会話。苦界に身を沈めるとまで言う糸。
この、糸さんが前に前に出るたびに、美しい士族の娘と言うよりも「器量が悪いが気立てがいい」娘さんのように見えてくるから面白い。糸さんを隠しながら噺を進めるのが古典の知恵だったんだなあ、、、と納得。
卜斎が茶碗を出せば「それは家宝の茶碗」と口を出す糸。ますます、菊之助ではなく、身替り座禅の坂東弥十郎に見えてくる。(千代田家でも、あの茶碗は家宝となるほどの逸品だと分かっていたのかあ。)
でも、この糸の力強さが頼もしい。侍受難の時代に逞しく市政に溶け込んでいる姿がほっとする。(親子ではないけれど、つい人情紙風船とダブらせてハラハラしちゃうんだよなあ、、、)。卜斎も「糸を嫁に貰うなら、この150両を受け取ろう」と自分から言うタフさがある。

 他、つれづれ
・卜斎の仏像を「20文」で引き取り「30文」で売る。
・薄い顔の屑屋に「墨であっという間にコックさんを書いてやる」
by bithoney | 2007-05-09 13:34 | :芝居浄瑠璃芋蛸南瓜
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