2007年02月27日
赤坂区民センター
柳家三之助 「浮世床」
柳家小三治 「高校時代(仮)」「粗忽の釘」「粗忽長屋」
まず、小三治に出された宿題を片付けるか。
小三治からの宿題:六本木の由来となった大名の名は?
答え:上杉、朽木、高木、青木、片桐、一柳
小三治、惜しい。正解は上杉のみ。松平も佐々木もブッ、ブー。
落語に戻る。
上記の「高校時代(仮)」はあくまでも「粗忽の釘」のマクラなんだけど、これは独立させたいほどイカしてた。シビれた。
赤坂の思い出を語りだす小三治。
50年前、高校一年生だった時、赤坂公会堂で芝居をやったそうだ。
なんでも、文化祭のクラスの出し物として八木隆一郎の「湖の娘」を選び(渋いなあ、、、)、演出も担当。
秋田雨雀(国境の夜)の話も出て、落語会と思えない雰囲気。好きだなあ、、、この匂い。
若林映子の話題も出て、特撮ファン・007ファンとしてたまらん夜になりましたよ。(小三治と若林が留年しそうになった話)。
※ほんとに蛇足な話ですが
わたくし、「国際秘密警察 鍵の鍵」を面白がれても、
「ホワッツ・アップ・タイガーリリー?」には苦笑いしか浮かばないタチです。
ついでに、「赤坂は何故赤坂なのか」と「六本木は何故六本木」の話もあり。
赤坂あたりは赤い花(紅花?)が見事に咲いていて、江戸城からみるとまるで赤い坂。城の奥女中が口々に「赤い坂ね、赤い坂ね」と言い、赤坂となる。美しい話だなあ。
六本木は冒頭のとおり。諸説あるけれど、頓知が利いてて面白い説。
芝居の話から入ったので、続く「粗忽の釘」も「粗忽長屋」も芝居的。
不思議なもので、こう、思い出してみると、暗い舞台の中歩き回る小三治をスポットライト(スポットライトとはいえ柔らかい光)が追っている情景が浮かぶ。一人芝居のようでもあり、相手の役者がいるようにも思える。
おぶさってくる嫁に「うふふって笑うな」って云う旦那。おかみさんは「うふふ」と笑うのか、と思わせるだけじゃなくて、家の雰囲気が伝わってくる。
やっと引越し先にたどり着きいっきに茶をあおるシーン。そうか、おかみさんの飲み残しも気にせず呑むのか。
親父の代からある飴色の瓢箪。そのフレーズだけで、家の中にあるこまごましたものが見えてくる気がする。
「この人、うまいなあ」と思う落語家さんは沢山沢山います。しあわせになるほど沢山沢山います。ただ、小道具や大道具まで見せてくれる人は少ない。
それを見せてくれる数少ないうちの一人が小三治なのです。