さて、お楽しみの豆腐。
いや、笹乃雪さんは豆「富」と書くそうな。
酒のアテにと買ったけれど、一口もっちりもっちりと頬張ったら勢いがついて、わしわしと欠片も残さず一気にいただいてしまいました。やや大降りだけど、これだけ旨いと一丁ペロリ。
スーパーで売っているゼリーのような薄い豆腐も結構好きだけど、ソレとコレを一緒にしちゃいけねえなあ。笹乃雪さんの豆腐は、米の飯を喰らうような頼もしさもあり、肉のような血を沸かせる気迫もあり、水の滋味もしみてくる。ご馳走。
虎屋の羊羹と笹乃雪の豆腐の、あのピシっとした直角を崩さない佇まいは好ましい。
それはそうと、豆腐を食う時は匙で掬っていただくと食感が変わって楽しいですよ。箸で花崗岩を掘り崩すように喰うのもいいですが、匙でほじると舌にのせると聊か柔らかくなるような気がする。